お客様の声
東京代々木Y邸(2016年竣工)
戦後すぐ、昭和26年に建てた家は古かったので、いずれは建て替えると思っていたところ、妹夫婦が一緒に住みたいと言ってきたので、築55年くらいたった時に、3階建ての二世帯住宅に新しく建てかえました。私と母は1階に住むことになりました。しかし、面積が小さかったのと、使いづらかったので、元の昭和の家に戻したいと考えるようになりました。
鎌倉あたりの会社にたのんだら、日本のことを知っているのではないかと思い、ネットで調べました。そうしたら、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」について書かれてあったので、分かってもらえるのではないかと鎌倉設計工房へ依頼しました。
改修により、私と母の住む1階は元の家に戻りました。
和室の畳の部屋がいいです。90歳の母も時々和室に連れて行くと、「いいお家ね。」と言います。古い家の時代は、母は一日中いた部屋なので、その時の記憶があるのでしょうか。
この家に住み始めて、母の認知症がだんだん良くなってきたのに驚いています。朝起きて、自分で顔を洗って歯を磨くようになりました。また、字が書けるようになりました。家と母の症状に科学的に関連性があるのかどうかは分かりませんが、関係があるのかもしれません。母はこの家で落ち着いて暮らしています。
特に、和室や廊下の竿縁天井は職人の技が光る部分です。
和室にこだわって作ってよかったと思います。
(2017年12月、築1年時点、建築主インタビュー)