新築住宅

藤沢I邸(2020年竣工) 1階親世帯②

I邸はかなり、洋風ですので天井を貼っていますが、実は構造体の美しい建物でもあります。
多くは隠れ大黒柱のみが現れ全体骨組みの美しさを漂わせます。
今回の写真ですが、奥にトイレの入り口ドア。
手前がスタジオへの入り口になります。
玄関から奥の部屋への通過点にあり、カウンター上に設けたトイレ用手洗い器がコロナ対策にも使用されています。
トイレ側のカウンターがスタジオに続き、奥へと誘う役目を持ちます。
スタジオ
1階玄関脇トイレからのカウンター沿いのスペースは以前の計画では和室への路地、つまり玄関の土間がこちらまで入り込んでいた。その後の計画で和室の必要性がなくなりスタジオへと変更している。カウンターのつながりが路地の名残をとどめている。
 今回は1階親世帯のリビングルームの画像です。
左端はフレームレス硝子戸、中央がスタジオ入り口、玄関ホールからは双方からのアクセスが可能です。
右手にTVが邪魔になってますが小屋裏物置への階段がちらっと見えています。
天井高はほぼ4m。高くそして豊かな空間。
梁組と和を強調する小庇が2.2m程の高さで部屋の三方に回っていましたが、全体が大きく洋風の流れにシフトしたので、新しい空間に生まれ変わっています。
画像の左端に2階子世帯の玄関前テラスと、1階の階段登り口が見えています。
親子の世帯は上下で完全に分離していても、出かけるときの様子がうかがえる程度の「スープの冷めない距離感」を確保しています。
前回の画像と異なる点は、正面のスタジオのドアが右端に寄せられ全開しているところです。奥の西庭まで見通せ、手前のリビングと一体化して利用します。
西庭は車の駐車スペース、家族の帰宅も確認できます。
檜の大黒柱、昔は柱に神様が宿ると言われました。
2階にも同じ位置に、同じ大きさの大黒柱があり、1,2階を貫く形になります。
完全に分離した二世帯住宅ですが、1,2階それぞれにおいてそれぞれの家族に思いをはせるシンボルになっています。
リビングダイニングの北側の写真です。
小屋裏物置部分(2階子世帯との中間層部分)は物置機能のほかに一部が2階の配管スペースになっており、人が入れ、設備の維持管理機能もち、また小屋裏内換気のため、制限内の最大開口部を備えます。
1階左手奥には浴室、洗面化粧スペース、右手にキッチンと設備動線がつながります。
写真は親世帯のダイニングとリビングそして外部の庭をキッチンサイドから見ています。
天井の高さを強調する縦長の窓群、道路側からの視線を感じやすいこともあり窓幅も狭めています。
間には天井までの収納部。
エアコンは隠すのではなく見せる代わりに座を与えています。
防犯の観点から高所に通風用の窓を配しエアコンの使用を控え、コロナの換気にも工夫を施します。
キッチンを住まいの中心に据えるケースが多い。その際今回はキッチンのほかに洗面化粧室も一緒に据えている。
洗面化粧の空間は脱衣室も兼ねる際はキッチンより浴室に引っ張られる。
今回は脱衣のスペースを浴室手前に設けたため、浴室と離れ洗面化粧室は自由になれる。
昭和以前の住居を拝見するとき、浴室の手前には2帖~4帖半ほどの座敷があって、そこで濡れ縁越しに坪庭の緑を愛でながら、
湯上りの火照った体を休める。
姿見もあり脱衣の場でもあった。
そこが家の中で一番風通しの良いところだったりすると、ちゃぶ台を持ってきてダイニングルームになったり、書斎になったり、多機能な場になる。
洗面脱衣機能だけではない実に心豊かな、和みのスペースだった。
前回のブログ写真で、奥の白いドアを開けると今回の画像になります。
手前は脱衣室で、ここはトイレと洗濯機(手前左側奥)の置場を兼ね備えています。
洗濯物のハンガーパイプが何本か見えます。
バス乾燥機も使用しますが浴室内に窓を2か所、
ルーバーサッシをつけて自然の通風で乾かします。
壁や床のタイルはお施主Iさんの選択。
特にガラス扉取っ手のゴールドがアクセントとして光ります。
今回は書斎を取り上げます。
手前にリビングダイニングを配し奥が書斎になります。
I邸の場合、書斎は独立した部屋になっています。
これは計画当初から家でも仕事をすることが決まっており
スタジオなどもその一環です。
書斎の扉を開ければリビングと一体化し大人数のパーティーに対応します。
書斎の画像です。
膨大な蔵書の数で、正面のみならず左側にも書棚が続いています。
京都の河井寛次郎記念館、中庭に面する小さな座敷、そこは茶室と案内にあるがここの場所こそ書斎にふさわしいのでは!訪れるたびに思う。
ちょうど座敷の床の間の脇、明かり障子を開け、前に庭の緑が広がる書院に座ったようなイメージ、
読書に疲れたらゴロッと畳に寝っ転がる、書棚はなく本は畳の上に何冊も積んでおく!
I邸の書斎はもっと機能的。南の光をたっぷり受け、風も大地を駆け抜け、積極的に自然を享受する場所。。
画像は小屋裏物置への階段を登り切ったところ、階段側を振り返っています。
ここは1階と2階の中間層の部分。例の防音の役目をしているゾーンです。
この小屋裏物置スペースですが、天井高や広さ開口部など法規制が厳しく、その範囲内での設計上の工夫が肝要になります。
格子を通してリビングダイニングに吹き抜けていますがこれはリビング側からの空間の奥行き、広がりを感じさせます。
また右奥のフロア上の部分にはプラントボックスなども置けば
観葉植物が葉を広げ、リビングのからの目を楽しませることもできます。