お客様の声

東京町田S邸(2017年竣工)

 妻は、薪ストーブ置場の階段の1段目に座ると、1階全体が見渡せるので、そこに座っていることが多いです。上の子は、階段の踊り場のベンチに腰掛けて本を読むのが好きです。下の子は、畳で気持ちよさそうにお昼寝します。私は、1階のトイレの雰囲気や2階の客室から北の山の緑が見えるのが好きです。庭へ張り出している庇が室内から見える様子もとても気に入っています。

 ここは静かで虫の声がよく聞こえます。ここに住んで、早起きになりました。通勤が遠いからというのもありますが、朝が気持ちいいからというのが大きいです。朝焼けが綺麗です。

 階段のベンチ部分の竹や、2階の階段に面する部分の手摺の納まりなど、大工さんの腕がよいからこその部分もこの家にはたくさんあります。

 ダイニングの椅子に座って、階段の方を見ていると、見飽きなくてずっと見てしまいます。

 設計の際に、玄関を広くしてほしいと希望して、玄関が広くなっているのもよかったです。

 とても住み心地のいい家です。今は、薪割りも含めて楽しい時間を過ごしています。

 

 今でも夫婦で話題になる設計打合せの回があります。

 まだ打合せも始めの頃で、二階子供室をもう少し広げたいという希望を伝えたところ、藤本さんが「うーむ…」と言ったまま暫く沈黙。といっても結構長く、細入さんや私が声をかけても沈黙。

 そんな考える姿に何というか熱意を感じて、帰り道やっぱり鎌倉設計にお願いしてよかったねって話をした思い出があります。

 思い返すと打合せの時はだいたい決まって近くの蕎麦屋に寄ってから事務所へ、そこからゆっくり自分達の家や生活について向き合う。とても贅沢な時間だったと感じています。

 そのような時間を費やした家に今住んでいるのは、とても幸せなことです。

 

201711月、築2ヶ月時点、建築主インタビュー)