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日本の美を伝えたい_鎌倉設計工房の仕事 246

「柏の黒紫べんがら」

 

気づかれたでしょうか

前回の画像を振り返っていただくと

扉の右隅に猫足の膳があります。

朝鮮の小盤(そばん)という膳です。

今はあまり使用していないようですが

酒と肴、ご飯とおかずなどいくつもの膳で食事をしたらしく、

その為軽くて持ちやすいことが製作のポイントの様です。

素材は銀杏が良いとのこと。欅や、松材のものもあります。

日本だと松より欅が重宝がられますが、韓国では逆です。

欅は木目が美しい。だがそれは見た目が綺麗な女性と同じで、

誠実さに欠ける?!と考え、それよりも素朴な

松の膳を愛したのだそうです。

以前ソウルを訪ねた時、私も購入してきました。

艶のある塗装を施して修復してある点を除けば

気に入っています。

事務所に置いてある70種類の木材見本で確認すると

木目がはっきりしていないのでどうやら銀杏の様。

酒とちょっとした肴でついつい一杯やりたくなる膳です。

画像のように夕暮れの庭でも眺めながら。