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日本の美を伝えたい―鎌倉設計工房の仕事 169

「わびさび庵」

奥行きの浅いデッキテラスは建て主がご自分で工事を行いました。

以前もコメントしましたが、同じ敷地の母屋建設の際は天井、壁などのべんがら塗もすべてご自分でなさいました。

塗装が専門というわけではなく、およそ、かけ離れた職業に携われています。

ただ人の集まりも多く、庭に小規模の建物を建て、既存の母屋とともに庭を囲み「中庭」のような落ち着きを持ったスペースにし、皆とともに庭で過ごすことも設計者として考慮しています。

また母屋とは直接廊下でつなげているわけではないので、離れの人はサンダルをはいて母屋に行き、食事と、入浴を行います。

子供の頃よく訪れた母方の山梨の郷ではトイレが外にあり、夜は怖さとともに星の輝きも心に残る体験をしました。

今は1,2階とも母屋の延長として使っていますが、わびさび庵も将来的には、ホームステイに、貸室に、と、離れていればこその使用法も生まれて来ます。

囲まれた中庭の一方はご覧のように斜面緑地。保存樹木もあり中庭に日陰を作っています。

庭は暫時的なもの。これから本格的に庭師たる建て主が行うわけでこれとはまた別の風景に生まれ変わるでしょう。