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日本の美を伝えたい―鎌倉設計工房の仕事 21

昨日のスタッフブログで紹介されていたのは

木部未塗装の画像でしたが

塗装後の仕上がりを楽しみにしてください。

私も気に入っています。


さて今回の画像ですが

何となく見覚えありませんか?


鎌倉設計工房の仕事-13に出ている

梁の拡大写真です。


丸太を鱗のように削っていますが

どのようにして削っているのでしょう?


たまたま小田原市の広報誌「技人」

を読んでいたところ

この復元された銅門が紹介されていました。


それによりますと

鉋(カンナ)ではなくチョウナという昔ながらの道具で

独特の削り模様を創っているとのことです。


復元の際、道具を創っている鍛冶屋さんがたった1軒

奈良県吉野にあって

廃業していたところ無理に作ってもらったという

蛤チョウナで施工しているとのこと。

とすれば大変貴重な文化財が小田原にあることになります。


蛤(はまぐり)は美しい貝で

この場合は蛤の形のような模様が由来だと思いますが

建築でも蛤は登場し

左官屋さんの仕事で

「蛤端ハマグリバ

(茶室の下地窓の内から外に回り込む部分の形)」

だったり、板金屋さんの蛤葺き(一文字ぶき屋根の

隅の納まり)等に出てきます。


そもそもなぜこのように削るのでしょうか?

はっきりしませんが山から木を切り出し

麓まで運搬する際

皮や白太(木の表面に近い部分)

を虫に食われないように削っているうちに

その美しさを発見したからともいいます。


いずれにしても道具(+扱える職人)

あっての「柄」ですね!