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日本の美をつたえたい―鎌倉設計工房の仕事 115

「成田の濃紫べんがら」

 

そもそも写真の縁台は縁台ではなく

ちゃんとした部屋の床だった。

 

でも床下の土台のおさまりが美しく

大工の関谷さんの技を表に出す意図で

変更した。

 

仕口の名前は「落とし蟻留め」

右足の先端が示す部分だが、よく見ると

筋が入り90度にまじわる別々の部材が

合体していることがわかる。

 

台形の蟻部分、サイドに隙間に見える部分には

欅の楔(くさび)を打ち込みカットしている。

 

土台が表に見えるのはあまりなく、しかも床板と

おなじ水平面に納め,蟻部分もしゃくって

合わせるなどは、恐らくここでしか見られないだろう。