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日本の美を伝えたい―鎌倉設計工房の仕事 134

「成田の濃紫べんがら」

 

ブログの124や125に!

実は答えが出ていた。

キッチン廻りの腰壁が白から黒に、

漆喰から板張りに変わっている。

おまけに板と板の間に

これまた!黒の竹を!はめ込んでいる。

 

板には隙間を開けている。

だから竹が無ければ

白の地が見える、竹をはめ込めば

見えなくなる、、とはいかず、

ばっちり竹のくびれラインに沿って現れる。

そのため、白い壁に濃紫のベンガラを

腰壁,全面に塗ってある。

 

がそもそも、なぜ黒にしたのか、白じゃいけないのか?

 

今回の写真はあおりのレンズを使用していないので

ゆがんでいて、比較しにくいかもしれぬが、

何か落ち着かないのだ!

 

白だと柱が白壁を分かつようにはいり目立つ。

建物の重心が浮き上がり、

家全体のどっしりとした重量感がそがれるのだ。

腰板の幅は柱幅に合せている為、

柱は壁の中に溶け込み、今度は所在が解らない。

 

分離発注の場合

現場での変更が比較的たやすい。

建て主も、目の前に実物が現れてくると、設計段階の打合せ

がよりリアルとなり、要望も変化してくる。

建設会社とではなく、建て主は直接

物を造る職人と契約するため要望に

対応しやすい方法なのだ。

むろん設計段階でも建物に磨きをかけるが

現場の工事段階でもさらに磨きをかける。