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日本の美を伝えたい 589

個室からバスルームを通して屋外を眺める

 

プロジェクトの敷地は京町屋のような「ウナギの寝床」。幅が狭く奥行きが長い。

 その最も奥に位置する個室からは、バスルーム、中庭、カーポート、

そして前面道路を眺めることができる。

 もし高齢で寝たきりになったら、外部との接触が次第に少なくなる。

 前面道路は近くの小学生の通学路になっており、朝方や午後遅くに生徒たちが賑やかに通る。

 その様子を垣間見てほほえましく思う。

 自らの小さかった頃や、孫を思い浮かべるかもしれない。

 誰が来たか一目でわかる位置なので、郵便配達、宅配の動きも楽しめる。

 これらは南側の景色なので日差しの移り変わりも、あわせて受け取ることができる。

 この個室は外部を眺める点では特等席かもしれない。

 ちなみに隣接する部屋は共有リビングを通じて、同じく中庭までは眺めることができる。

 2階の個室はと言えば 2部屋それぞれから個々の書斎を通して1

階土間上の吹き抜けに通じているので、

 個室にいても1階の戸口に誰が来たかはわかる。

 個室群の東西と北は、境界に近接して隣家が建っており、唯一南だけが開放的になれる。

 安全な奥まったところに居ながら動きのある外をベットに居ながらにして眺めている訳である。