新築住宅

神奈川藤沢S邸

新しい住宅を紹介します。

場所は神奈川県藤沢市海からの風が心地よいところです。

いきなり外壁の見上げ画像ですが
鎌倉設計工房で創る住宅の特色を現しています。

すなわち外壁は木摺板大和張りベンガラ塗装、
1階開口部にはベンガラ格子。

格子に使用している木は3cm×4cmの断面を持つ部材で
壁下地に用いられます。

また大和張りとは板の両端を重ねて
凹凸面のある外壁を作る方法です。

木摺板は1.2cm~1.3cm×9cmの平らな板です。

これも下地材。

これらの材料は一本の丸太の中心から柱を取った
残りの部分を加工したもので、
この部分を有効活用して初めて柱の値段が安定するという
その為の大切な脇役を演じています。

日本の伝統建築は庭とのつながりが強く、
建物と庭とが一体化していた。
今まで設計してきたなかにも庭を意識した建物は多い。
しかし都会の住宅密集地ではなかなかそうも行かないが
そこはひとつ根性でやってしまう。

この片瀬山の家は住宅密集地と異なり、
1960年代に開発された比較的区画が大きい分譲地に立つ。
が駐車場が敷地の多くを占めるため
庭と呼べるスペースはごく少ない。

画像の外壁と隣地境界とは1メートルほどしか離れていない。
が日当たりはこのようにあるので緑のスペースを作った。
右奥にはテラスがありちょっとした憩いの場所ともなっている。
このように脇からの写真ではなく
次回は緑を正面に見た物を登場させよう。

前回の画像は突き当たり左奥から見たもの。
後ろに振り返ると玄関があり外に階段、道路と続く。
つまり道路からこの中庭まで一本の軸線になっている。
細長い回廊は玄関、住居入り口、
中庭テラス手前、中庭テラス外と4箇所で仕切られる。

セキュリティーと仕事と住居のゾーンを分ける観点からだ。

この画像は中庭テラス手前のドアを開け放ったところであるが、
外壁沿いに網戸兼用の格子戸がつき
その様子は前回画像に見る事が出来る。

このように建具を開け放てば
光や風も通る豊かなスペースとなり、
小さな庭でも建物と有機的に結びつけて
快適な環境を作る事が出来る。

回廊は東西を結ぶが、
南北を結ぶと風の流れは更によくなる。

夏の暑い南側とひんやりする北側に開口部を設ければ
温度差で風を呼び込む。

昔の民家は田の字型の平面のプランで
南北に大きな開口部を配していたため風の通りが実によい。

北庭の広がりや豊かな樹木も役立っているが、
北を開けることを戦後の住宅は忘れているようだ。

風の通り道を作ればおのずから各部屋の空気も引張られ
換気もよくなる。

効果に疑問が残る24時間換気の法規制もさることながら、
基本的なことを押さえては如何だろう。

前回文中の回廊といっても様子がつかみにくいと思い、
この画像を選んだ。

正面奥の扉を開けると前回の画像の中庭が見える。

手前の引き分け扉は玄関戸であるが門扉の意味を持ち、
奥のドアが本来の住戸玄関の扉。

手前手摺は外部階段のもの。

敷地は道路から数段上がっている

 

前回の画像をさらに引いてみた。

建物全体像があと一歩のところまで見える。

気を持たせて恐縮だが画像で実物の表現には限界がある。

今回は2階の様子、【一反木綿】の片鱗や
玄関脇の造園デザイナーによる植栽なども見えたりする。

匿名としているため、看板や表札はややぎこちない。

が構成として階段と玄関アプローチが
一本の軸線となっている様子は
お分かりいただけるのではないか。

夜目、遠目、傘のうちのごとく薄暮の写真は
きれいに見えてしまうので、
次回は昼間の写真と思うがいいのがないので、そのうち撮ります。
(今回の多くはカメラマンにとってもらっています。)

とりあえず、内観から紹介しよう。

 

前回の外観画像のコメントの中に、
【一反木綿】の片鱗が見える、
と綴ったが、このように内観をご覧いただければ、
中央部分がそれ、と見える。

朝のNHKテレビ「ゲゲゲの女房」で
水木しげるが奥さんと見合いをした際
相手を評して「妖怪の一反木綿のような人」。

その時、漫画チックに白く長い布が現れたので
思い出される方もあるかもしれない。

前回の外観画像では「一反木綿」背後の窓から見ている。
後ろに見える明るい部分がそのガラス窓だ。

一反木綿は光と風の塔でもある。

その中味実はトイレ。

天窓があり入り口のドアを開ければ上昇気流が出来て
家全体の換気が出来る。

また家の中央に在って北側に光を送る。

大型の天窓からの光は豊か。

周囲のベンガラ塗装によるインテリアは暗めなので
別世界のように感じる。

上部はツインポリカ乳白色を使用しているが
ガラスを内側に張り遮音に配慮している。

前回画像の「一反木綿」が左側に見える。
現代の日本の家は居間、食堂、キッチン、個室など
箱型の部屋の集まりとなっている。

そのような制約から解き放たれ、
もっとのびのび暮らすことも良い。

前回画像の「一反木綿」手前のスペースは
リビングダイニングとなっている。

ここは四角ではなく台形のような不正形をしている。

隣のキッチンへとスペースが移動してゆくかんじだ。

四角だと止まった感じだが、
不正形だと空間に動きが出て来、伸びやかな気分になる。

この画像の吹き抜けスペースも
右側の角度をつけた間仕切壁のおかげで
平面的に不正形となっており直行する梁とあいまって
手前に広がりを出している。

右側は個室で襖下部の欄間は銀座の料亭で使われていたもの。

現在建築中の鎌倉由比ガ浜の家や
計画中の横浜港北仲町台の家での使用も決まっている。

丁寧に作られたもので今作ることはおそらくかなわないだろう。

漆の黒縁や赤みを帯びた茶のおさ欄間の色合いが
周囲のインテリアとよく合っている。

 

前回画像、吹き抜け部を下から見上げた画像である。
2階の部屋がせり出しているので、
これを見た鎌倉のオーナーはオペラ劇場のようだと評し
とても気に入っていただき,
腰部分に使っている欄間も採用となった。

インテリアはベンガラ塗装と漆喰だが
柱梁をすべて隠すか一部を残すか、
どの柱は隠したほうが良いかは一発で決まらない。

現場においても尚検討している。

1階はリビングルーム的に使用されている。

格子戸からの明かりもさることながら
左端の2階からの光のほうが強烈だ。

前回と今回比較してご覧になるとわかりやすいと思う。

前回の画像は「一反木綿」を横から
つまり2階のレベルで見たが
今回は、「欄間のある部屋」の下,
1階のラウンジレベルで見上げた画像。

したがって一反木綿が欄間のある部屋を支える梁で
上部が区切られて見える。

下部は板張りではなく漆喰壁としている。

柱もベンガラで塗らず白色塗装を施した上で
ウエスでふき取っている。

この部分を一階の他の柱同様ベンガラで塗装すると、
一反木綿の上部が宙に浮いた形になる。

「一反木綿」の妖怪としての趣旨からすれば
そのほうが良いのであるが
ここは全体の落ち着きをとって一階部分の柱は白としている。

一反木綿の周囲に沿って階段が上っていく様子も見える。

いままで一階と二階おのおの別に、
見てきたが今回の画像は一階と二階を同時に眺める。

右側の白い部分が「一反木綿」、
中央は大黒柱(24センチ角)左側が骨董欄間の部屋

2階中央はキッチン、
一階は居間で階段の踊り場からこの画像を取っている。

夜景で照明の効果が大きいが、屋根形状も含め、
意図した空間がよく現われ出ている。

 

ベンガラを塗った小幅の板(木摺板)を
外壁に凹凸を付けて打ち付け、陰影を出す。

大和張りは毎回行っているが、
白い板で行っても美しい陰影をつくる。

これは例の「一反木綿」部分トイレの入り口。

杉板に白ペンキを施し、布で拭取り木目を現す。

すると木の肌色がうっすらと浮かび上がる。

ベンガラのようにベタッと塗らず
生地の表情をうっすら出すうす塗り感もまたよい。

手前に出ている部分が白で奥まったところが薄い肌色、
それが交互に並ぶ。

午後の日差しのなせる業である。

 

片瀬山の家
ガラス格子戸を開ければ道路へと続く階段が現れるので
さしずめここは内外を分かつ玄関なのだが、
実際の玄関はこの右奥にある。

従い格子戸はいわば門扉。

開けたままだとここがポーチになる。
が閉めれば室内になる。

額が飾ってあったり、椅子も置かれている。

しゃれた椅子は家主の好みをあらわし、額もあいまって
畳2畳ほどのスペースがギャラリーに変化している。

実用面では椅子にコートをかけてもいいし、
宅配便の一時置きにもつかえる。

このようなプラスアルファーのスペースが玄関先にあると
忙しい毎日に、
気分の上でもゆとりが生まれる。

 

今回は大黒柱と梁が十字に交差するダイナミックな画像だが
左側には骨董欄間上の襖を開けた様子が写り、
右手にはキッチンが。

キッチンは大工と建具職人の合作で
いつものようにベンガラを塗装。

柱や梁と渾然一体となる。
手前のアイランドカウンター、天板は大理石。

強羅の家でも同様のものを作成したが、
今回は炊飯器置き場なども裏側に設けている。

昔、著名なフランス料理のシェフのご自宅を
コンクリート打放しで設計したが、
その際パティシェでもある奥様のために
大理石のテーブルカウンターを要望された。

以来、お菓子を頻繁に作らなくとも、
カウンターの素材に大理石を使うことがしばしある。

機能性のほかに、周囲の木部のベンガラと石の明るい色とが
程よいコントラストを見せ
落ち着いた色合いの中に華やぎをもたらしている。

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