公共・文化施設

神奈川県磯子区金台寺

計画では耐震、断熱改修工事と内外装の修復工事で増築はない。

耐震改修の一環として屋根を瓦から銅板にし、
地震時の構造材への負担を軽くした。

また基礎、土台、柱の金物補強や内装の建具まで含めたリニューアルを図った。

屋根工事は銅板葺き替え、
下地の大工工事まで含め栃木の会社に依頼、
その他の大工工事は神奈川の職人さん、
また建具は以前から寺の工事を担当していた建具屋さん、
屋根の一部や、屋根以外の板金工事は鎌倉の伝統建築を手掛ける板金屋さんと、
得意分野の職人さんを各地から集め、
CM方式で工事を行った。

 

金台寺

銅板葺きは、最初このように燦然と輝く。
じきにくすんできて、最後は緑青という錆でおおわれ
耐久性が向上すると同時に、独特の淡い緑色へと変化する。

 

金台寺

棟の先端は鬼瓦部だがこのように下からの見上げ以上に大きいものだ。

 

金台寺

軒先も直線ではなく、端に行くに従い持ち上がるようなカーブを描く。
軒先端の細かな垂木という木材は 白木のままではなくベンガラ塗装を施している。
また、連続する垂木の端部の光る部分は隅木で同じく銅板をかぶせている。

 

金台寺

隅木の大きさと職人さんの顔で部材の大きさがわかると思う。
銅板で覆わず、ベンガラ塗装のままにした方が味があるのだが、濡れ易いのであえて被せる。

 

金台寺

柱、梁や、建具類など木部はベンガラ塗装を施す。
塗る事で光の当たる部分と影の部分とが緩やかに変わるので正面の丸柱が際立ってくる。

 

金台寺

内陣の框は花梨を使っている、新木場の材木屋さんでこの長物を調達する。
床板も広幅の花梨。丸柱はベンガラで欅の木目を浮き出す。

 

金台寺

脇陣の建具や、貼付壁の和紙は、住職が選ぶ。

 

金台寺

上部の竹格子部にはエアコンが入る。

 

金台寺

格天井は白木で残している。
虹梁の端部袖切りや、絵模様も塗るとはっきりしてくる。
格調高くなるところがベンガラの特色でもある。