新築住宅

千葉大網白里M邸 (2008年竣工)

道路側の外観です。

全体像は表れていませんが、
この範囲が特にまとまっているので、
ついこの画像を採用しています。

御覧の通り、道路と建物の間に塀はありません。

右手には芝生の庭が広がり、
大屋根の下は1階の床と同じ高さでデッキが設置されています。

外壁はベンガラ塗装ですが、特に耐候性を高める為、
油性のものを使用しています。

玄関庇の雨落ち部や基礎に添ったコンクリート部分には
白砂利が敷かれ、建物周囲の湿気を防止しています。

リビングルームです。

片流れの屋根によって出来る吹抜けが上部に広がります。

この千葉の家は、床、壁、天井に全て
ベンガラ塗料(水性)を塗っています。

床は磨くと艶が出て来ます。

全体を塗る事であふれる光をセーブ、適度な陰影を作り、
インテリアに深みを与えます。

白い空間だと家具が目立ちすぎる事になるでしょう。



階段面は暗くなるので杉板の素地のままです。

素足で床を歩く時の肌ざわりが良い。



階段脇の壁はラーチ合板ですがベンガラを塗ると、
このようにいぶし銀のようなにぶい光沢が生まれます。



階段を登り切ると、
このような吹抜けに面するホールがあらわれます。

入口のドアは白色で浮きあがらせ、
光は奥の天窓も含め数ヵ所から少しずつ取入れ、
小住宅にも奥行き、広がり感を出してゆきます。


【 千葉の家Ⅱの解説 】
大規模な住宅地の中に建つ住宅ですが、
隣接する住宅メーカーの家とは一線を画します。
差はなにかというと「手間」だと思います。
壁の板一枚一枚塗装したオーナー。
丁寧な土地の職人さんの仕事。
予算内でギリギリまで良質な素材を使えるよう検討した時間。