新築住宅

千葉成田K邸

さて今回からは千葉県成田市内のすまい。

建て主Kさんとはあるイベントで出会った。
「岐阜高山の民家のような家を建ててほしい!」
開口一番の言葉を今でも思い出す。

敷地内には、すでに真新しい母屋があった!
が、高山民家の雰囲気はない。

今度こそは!とお考えになったのか!?

高山の吉島家は私にとって特に好きな建物。
大学の研究室以来、触れることも多い。

土間の豪快な梁組が
高窓の障子を透した光で浮かび上がる。
柱や梁はベンガラに煤を混ぜているのだろう、
濃い紫色をしている。

さて今回、その希望にかなったであろうか?

千葉はまだプレカット
(柱梁の継手、仕口を機械で加工する)
によらず
大工が直接、鑿(ノミ)で加工する「手刻み」による家が多い。

また、通し柱(1階床から2階の梁まで通る柱)ならぬ
「通し梁」(屋根の端から端まで通す太い丸太、背骨の役割)
の風習もある。

成田で作るのは飛騨の匠ではないが、
匠の名にふさわしい職人たちが携わった。

まずはアプローチから。

現地は千葉県の特色でもある低い山々に囲まれた
谷戸の景観が広がる地域である。

建物の外観をイメージする際、
その地域に昔から建っている建物の
形に注目する。

その土地の気候、風土に対して先人が
試行錯誤を繰り返してきた結果であるからだ。
(もっとも最近はどんな形でも、
技術でねじ伏せてしまえるが。)

千葉には茅葺の古民家がおおい。
そして屋根の形は寄棟(よせむね)と言われる、
東西南北に雨が流れる形だ。

しかしこの形だと光の取り込み方が難しい。

そこで入母屋という形が浮かび上がる。

付近のなだらかな山の稜線に合わせ
屋根を小山のように膨らませ、
光を妻側(屋根の長手の両端部)
から取り入れる。

屋根の全貌は次回に。
だが、屋根のボリュームに注目してほしい。

前回の画像と比べると
さらに建物に近づき、門の位置で
撮影している。
手前に見える3連のべんがら格子戸の
奥がガレージ部で、車2台が並ぶ。

その右の中央部が玄関だが
その位置をより明確にするため
壁をへこませ、両側に門柱サイズの太い柱を立てている。

屋根の素材はガルバリュウム鋼板。
縦のライン部分には断熱材が挿入され、さらに
空気層も加わり、そのため屋根の外周部分より
1段高くなっている。

その外周部は横葺き.水平ラインを強調し
軒先のシャープなイメージに繋がる。

近傍の民家の屋根はというと、文化財級のものは茅葺、
その他は茅葺に鉄板をかぶせたもの、あるいは瓦葺きが多い。

成田の家の屋根は、黒に近いグレー。
車の色だと「ガンメタ」だが、光の射し方で
いぶし銀の瓦のような光をガルバリュウムも放ち
このように
素材の薄さを感じさせぬ深みを持つ。

敷地環境については
低い山々に囲まれた谷戸、
また屋根については入母屋
と書いたが、
今回の写真のほうが
屋根の形や周囲の景観が、
少しわかりやすい。

周囲の山々からの緩い傾斜地を
平らにしているため、山側が高く
山の絞り水の排水、治水工事が
建築に先立って行われた。

いままでは建物の長手方向(平側)の写真だが
今回は短手方向(妻側)を見る。

これは東面にあたり
朝日がガラス面から建物奥へと差し込む。
反対側も同様にガラス面になっており西日が差す。

写真は前面の道路から撮影しているが、撮影位置の背面には
コンクリートの建物の壁があり、西日がその建物に反射し
成田の家を照らし
東面のガラス窓からは午後になっても明るい光が入ってくる。

屋根面を支える母屋という角材が屋根から跳ねだすが
その先端を隠すため幅の広い破風板を山型に回している。
この破風板を材の切り口に対して垂直につなぐと
重く感じるので下側を少し内に傾斜させている。
破風板が下屋(横葺き部分)に届く箇所を見ればその角度が
見て取れるのでは?

なお破風板は実際、下屋と
わずかに離し、雨の自然な流れを止めない。

むろん、破風板の傾斜は軒と同様、
破風回りもシャープに見せている。

前回のブログに
「コンクリートの壁があり、西日がその建物に反射し
成田の家を照らし
東面のガラス窓からは午後になっても明るい光が入ってくる。」
としたが
その解説にちょうどいい写真があった!
今回はその画像。
東側の2階部分の内部ゾーンを撮影している。

撮影位置の背面から、つまり東側から西日が入ってくる。
正確には建物に反射した西日、なのだがこのように明るい。

そして画面中央,奥の窓が西日を受け輝いている。
日中,南側からは無論日差しがあるので、
一日、日が当たっている家なのだ。
ところで
濃い紫のべんがらもこのように、夕日を浴びると、黒っぽさから
いぶし銀の焦げ茶色バージョン?へと変化して見える
不思議な塗料だ。
なお 中央の大黒柱は24cm×24cmの太さ。

前回と同じ写真だが
少しコメントを加えておきたい。

まず、べんがら塗装は建て主が行っていることだ。
私やスタッフも時折参加する。
塗り始めると、次第に
白木の部分はすべて塗り尽くしたくなる。

また塗っているときは無心だが、無意識のうちに
魂を込めてしまっている!
すると写真のようにオーラさえ出てくる。
前回、べんがら塗装が不思議だ,
といったのはこの事なのだ。
加えて、大工、左官などの職人の技術があって
はじめて醸し出す味なのだ。

つまりこの空間は創造にかかわった
建て主、職人、設計者、三者のコラボレーションで
成り立つ。
つまり
三者の気持ち、誰かに感動してもらいたい三者の気持ち
ならばこそ、で成り立っている。

隣の建物の反射光で室内が明るくなる様子を
前回写真で紹介したが
実際、光の入る窓の大きさは?

窓形状は大きな三角形で
底辺は5.5m。頂点は2.8メートルほどだ。
三角形の中を910mmピッチの柱、またその中455mmの位置に
半柱を入れて窓全体を割り付けデザインしている。
食堂は西によった1階にある、にもかかわらず、
ここ東から入る朝日で西にあっても朝日が差す。

テーブルとイスがセットされている。
午前中、ここが陽だまりとなるためか、新聞や読書にと
この上ない心地の良いスペースになっている。

なお柱の上に見えるしろっぽいものは幣串(ヘイグシ)。
上棟の際、家のお守りとして棟近くに取り付ける。

今日は前回の写真に
反射光を受ける格子の壁を入れてみた。

べんがら塗りの天井が陰影を作り、床の杉板は
明るく光を反射させ、その中で籐の衝立のゴールド、
テーブルの飴色、ほんの少しの漆喰壁が
夕暮れ前、日が傾きかけたひと時を創る。

外観から玄関を経ずして
いきなり2階の解説となって来たので
いったん外観に戻ります。

車2台分のガレージを左に、玄関を右に見ている。
ガレージのドアは設計上悩むところで
シャッターが一般的だが
どうも無粋なものになりがち。

京都の街中を歩くと景観を配慮した事例によく出合う。
今回も外壁板壁の板幅に合わせて太めの格子戸にしている。
すると玄関が格子と外壁の中に埋もれてしまうので
入口両側に大黒柱と同じ大きさの柱を据え
かつ人を招くように外壁面を後退させている。

前回と同じような写真か!
とお思いでしょうけれど
引違いの玄関の扉があき
奥の庭がわずかに見えてます。

玄関わきの太い柱は足元を
銅板でくるみ、根腐れを防ぐ。

柱下の沓石はモルタルで造り出したもの。
御影石など使うところだが、
土間のコンクリート、基礎のモルタル
シンプルに合わせている。

玄関の格子戸をあけ、中に入る。
奥の庭まで土間は続く。

左側はガレージ、右は居間と茶の間
が広がる。
ガレージと土間とは格子戸でつながる。
他の部屋同様に格子戸をすべて開ければ
家全体が見渡せ、大きなワンルームの広がりを持つ。

上部屋根はべんがらで陰影を作り、
はっきりとその存在を見せず奥ゆかしさを出す。

床は小粒砂利の洗い出しで
緑がかった沓脱石に色を合わせる。
それにしてもいい石が見つかったなぁ
上は平らで側面は襞のある野面。
以前長野県諏訪の商家の基礎石を沓脱石として 紹介した。
今回はちょうどいい石があると
グリーンクラフトの高橋さんが運んできた。
場所は定かでないが石のルーツは四国だそうだ。

撮影位置を前回より前進、
前回より奥の、突き当り出口付近の、状態がよくわかる。

左側にはガレージではなく、別の空間が広がる。
右手にはとれたての野菜を洗う流し。
それと庭作業で汚れた手を洗うため、ステンレスボウルを
トップに据えた水場がある。

水場には金属製品をあえて使い、ボウルを支える部分の
漆喰や黒竹など、自然素材と対比させている。
流しは当初、庭に置いてあった石を彫り込んで水を受ける構想だったが
スペース的な問題と、沓脱石とのかみ合わせなどに支障がありあきらめている。
がいつか実現したい。特に野趣のあるキッチンなどに。
照明器具も金属だが、いつもの松岡信夫さんの作品。

内外のつながりを作る目的で土間範囲を広げ、欄間は硝子とし
わざと軒裏を見せている。軒先の空間は高いように見えるが
地上1.6メートルほどまで下げ、背丈のある方なら身をかがめざるを得ない寸法だ。
夏の日差しを深い軒で遮る。

濃紫べんがらの塗装はご主人によるもの。
その軒裏の垂木は今回30センチ間隔。
現場にたどり着く前、付近の民家を観察すると
ほとんどの家の垂木ピッチは30cm、
それに倣う。
45cmピッチだと少し間延びした印象になる。

少し角度を振って左手奥のサンルームを眺めている。
サンルームの中を横切り、奥へと回り込むと、
ふたたびガレージに戻る回遊性を持たせている。

サンルームの床は縁台のように浮いているが
設計段階では小壁で床下が隠れていた。
縁台の周囲に回されている木は土台で
隅部のおさまりがきれいだったため、見せる事にした。
そのため縁の下ができ、ベンチのような床といった具合だ。

もともと当初の設計で、サンルームは閉じていて座敷であった。
客間の想定であったが玄関土間がそのまま奥へと続く
現在のあり方のほうが、豊かな空間となり良かったと思う。

床にレールが埋め込まれているのにお気づきだろうか?
客間としても依然使えるよう、玄関ホールとは格子戸で
仕切られる。

今回はサンルームの奥を見る。
床板や周囲の土台で使っている檜は
石檜(いしび)。
そう呼ぶのは、木でありながら石のように硬い檜だからだ。

檜というと比較的柔らかい木に属するが
土地柄で異なるのも面白い。
そういえば栃木県壬生町の現場で日光杉を見た。
日光の杉は硬く
一見すると欅(けやき)ではないかと思うほど、
濃い赤茶色で重い。

白壁のすぐ下は
杉板を大和張り(2枚の板を間をあけて重ねて張る)
にして、べんがら壁を増やす。
白壁とべんがら塗りの壁と美的バランスをとるためだ。

今回は縁台床の「石檜」をまじかに見よう。
この檜、さすがにべんがらを塗る気にならない。
千利休も2種類のインテリア、白木にべんがら塗りの色付九間之書院と
べんがらを塗らない檜書院とを構えたといわれるが、やはり塗装しないほうが
檜の肌色の味わいが出て,ともに捨てがたい。

なお土間の床は小粒砂利洗い出しで仕上げている。

そもそも写真の縁台は縁台ではなく
ちゃんとした部屋の床だった。

でも床下の土台のおさまりが美しく
大工の関谷さんの技を表に出す意図で
変更した。

仕口の名前は「落とし蟻留め」
右足の先端が示す部分だが、よく見ると
筋が入り90度にまじわる別々の部材が
合体していることがわかる。

台形の蟻部分、サイドに隙間に見える部分には
欅の楔(くさび)を打ち込みカットしている。

土台が表に見えるのはあまりなく、しかも床板と
おなじ水平面に納め,蟻部分もしゃくって
合わせるなどは、恐らくここでしか見られないだろう。

サンルーム全体の写真。
奥に2階への階段が見える。
また入母屋屋根の切妻ガラス部から室内に
光が入ってくる様子もわかる。
右奥はガレージへと続く通路。

成田のブログ最初の頃に
階段ダンスの画像をのせた。
幅が狭く急なのだが、この奥の階段が2階に上がる
正式な階段だ。
ここから屋根裏ゾーン、2階全体を行き来できる。

前回の写真を撮影した位置を望んでいる。
奥に玄関土間の水場がみえる。

格子や、柱梁、床の目地、建具などの
縦と横の線に天井の斜めラインが加わる。
また
水場の水栓には黒竹の自然な垂直線も加わえた
線のデザイン。

クライアントの意図した高山の民家の理想に近づけたか。

天井の垂木のピッチは30cmとし
通常よりも多いのでかなり目立ち、ちょっとうるさいか。

濃紫のべんがらを塗り陰影の中に溶け込ませて
落ち着かせる。

このアングル、煽りを利かしても、かなり、引かないと撮れない。
前回画像の階段の2段目に座ってカメラを構え
ようやく撮影完了。
木造の架構をダイナミックに表現することができ、
自分としても気に入っている写真だ。

左側は植木鉢を載せる棚、この縁台もそのうち
蘭などでうめつくされる。

サンルームの一角
日を浴びて緑がまぶしい。

棚板は手前と奥とでは
幅が違い、大小の鉢植えを置ける。

軒の出やその勾配、外の緑とのつながりなど
内外が一体化して見えるところだ。

さて画像は玄関ホールに戻り
水場を見ている。

玄関ホールの土間にあるので
それにふさわしいデザインを心がける。
床は洗い出し、腰壁はべんがら塗りの
羽目板。
立水栓の白い部分は漆喰で
背後の壁と同材
厚い板は楠木(くすのき)

玄関ホールの写真に戻ろう。
突き当りが庭への出口
したがい右手が水場になる。
よく見ると柄杓のはいったバケツや
とれたての野菜だろうか、
洗われるのを待っているような、
使い方がこの水場で行われている。

正面のツインポリカの建具から
うっすらと
外部の様子が伝わる。

隣地には擁壁があるようだ。
また軒は深く庭側に下がり、外に出る際
あたまをチョット気にするくらいの低さ。
人の背丈に合わせている。

前回と同じような写真で恐縮だが
少しコメントを。
通常建設中の現場に入っても
建て主を交え職人と建築家が打ち合わせながら進める。
設計段階で密な打ち合わせを行うが、それでも
現場で「こうしたい!」
という事情が必ず出てくる。
まず格子戸の上にガラスがはまっているが
設計段階では壁であった。

ガラスにすることで屋根を支える材木が上から降りてきて
そのまま庭へと出てゆく、
内と外がつながって気持ちの良い空間ができる。

また建具も同様に4枚引違いの格子戸だった。
4枚引違が、2枚引き分けの格子戸になっている。
両端の2枚分を固定の壁に変更して
格子の間にガラス(ツインポリカ)を入れている訳だが
設計当初、水場はゆで卵を長手方向に割ったような
石をイメージしており、平らな部分をくりぬきシンクを創るイメージだった。

が適切な石が見当たらず、機能性を優先して
建物に組み込まれた水場とした。

そのため両端の格子下に低い腰壁を設けたが
最初からそうであったように、なじんでいると思うが
いかがだろうか?

前回に引き続き、格子戸について―

中央の二枚を両側に引き込んで
庭を見ている。
壁にしようと、4枚引違にしようと、中央の二枚が開く
それは変わりない。
が、こうやって開いた状態を
眺めると、洗い出し仕上げの床が低めの腰壁
となって立ち上がっている今の状態が、
ガラス戸2枚が重なっているよりも良い。
ドッシリした安定感があり、場の雰囲気に合っている。

左手に2枚の障子が重なっているが
これと比較してみるとよいと思う。

サンルームから奥の
茶の間やダイニングスペースを見ている。

2階からサンルームを見下ろせる様子、
濃紫べんがらの千本格子で玄関土間と仕切られている様子、
梁と束とは「込栓」(こみせん)という堅木で貫かれ、
互いに結ばれている様子もわかる。
この込栓、
中央上部左手の横木(梁)と短い縦木(束)、上下に
見えるへそのようなものだが、直径15ミリ、長さ15センチほどの棒だ。
硬い欅や楢、橅、樫などで作る。
梁の穴から入れ、梁の芯に届く柱の先端(ほぞ)の穴に通すが、
穴同士がほんの僅か、ずれている。
このため一度入れたら抜けにくい。
金物を使わずとも材相互が抜けない伝統の知恵だ。

手前上部の梁には、多くの垂木がかかっている。
白い照明上の三角スペースには、ガラスが入り、外の庭と連続させている。
垂木がエンドレスに外に繋がり、開放的な様子を見せる。

手前、縁台の檜、肌理が美しい。

前回の写真、中央の格子戸手前に
沓脱石がある。
そこに立って西側を撮った。
おりしも西日が差し込んでいる。

今まで見てきた
玄関土間は大屋根でおおわれていたが
その頂点はわからずじまいだった。
この写真なら屋根全体の構造がわかる。

かなり高山の民家に近づいたか!

前回は西日輝く写真だったが
今回は落ち着いた光の時間に撮っている。

中央の箱階段(階段箪笥)は欅(けやき)材。
手すりの取り付けが難しい。今回は
木ではなくスチール製にして固定個所をとばし軽快にみせる。
松岡信夫さんの作品。
スケッチを渡して作ってもらった。
手すりの下部は床に、上端は束柱に固定。
後付けの踊り場部で支柱を建てる。
当初、下の固定は床ではなく
箱階段の1段目側面の予定だった。
しかし、欅材を痛める可能性があったので
床に直接固定している。

同じような写真で恐縮だが、少しコメントを。
「階段箪笥(タンス)」
正面の階段を手に入れた時、「古福庵」ではそう呼んでいた。
タンスと呼ぶ時、動かせる家具なのだ。
また「箱階段」という場合もある、この際は階段の形状が
箱を積み重ねたところに焦点を当てている。
ただ「箱梯子」というのもありこの時は階段より勾配が急な点に重点を置く、
多分そんな意味だろう。
横浜の百貨店で建築家展を行った時
手話のお客さんがいらしてこの写真をご覧になり、
急な勾配を手振りで表現していた。
きっと「箱梯子」と
仰りたかったに違いない。
箪笥、というだけに引き出しには便箋、封筒、はがき、家計簿
あるいは裁縫箱や、救急箱などが入る。
この階段箪笥も茶の間に以前置かれていたのであろう、
そこにはいつも主婦がいて空拭きし磨いたせいか
ご覧の様に、ぴっかぴかに光っている。

階段箪笥
家具
といっても手摺が付いている。
アイアンワークは
アインズ松岡信夫さん。
仕上げの素材感には
毎回ほれぼれする。

階段箪笥を
登ると、このように
屋根裏部屋が広がる。
西側の硝子窓からは
畑と里山の緑が望める。

好きな画像だ。

家具達も一息入れていると言った格好だ。
良く見ると、桐ダンスの他に
ト―ネットの曲げ木の椅子がある。

午後の日差しを浴びて
ここに座れば、冬の寒さも遠のく。

前回は西側から入る日が杉の床や桐のタンスを
浮かび上がらせていた。
今回は逆の東側を見ている。

ほぼ同じ時刻に撮影している、
にもかかわらず、東側からも日が差しているかっこだが
実際は隣地の建物の反射光だ。
つまり東西両側から日が差す!時間帯がある。

日が当らないと松煙の黒が目立つが
照らし出されると、赤ベンガラが
このように紫になって現れてくる。
奥ゆかしい塗料だ。
もう一度ブログ105をご覧いただきたい。

日本の美を伝えたい―鎌倉設計工房の仕事 130
前回の格子画像を反対側の2階から
みています。
中央の大黒柱や梁と比べると
格子の細さが際立ちます。
ここはいわばスクリーンとしての格子ですが
風景を際立たせる役割もあります。
現在進行中の現場で試みており
いずれ紹介出来るでしょう。

日本の美を伝えたい―鎌倉設計工房の仕事 131
前回の写真斜め位置からだったが
今回は正面を見ている。
障子の桟の間隔を垂木に合せ、荒くし
右手の細かい格子と対比させている。
障子は2枚を重ねている為1枚に見え、
障子の白、腰壁の漆喰の白が
全体に広がる濃紫のベンガラと、
これも対比をなし
綺麗な空間を作っている。

床の杉板は1枚1枚、赤白の源平模様だが
それが寄せ集まると
カーペットの様な暖かさを感じさせる。

写真は階段の降り口だが
前回の画像をご覧いただくと
左端に入口が位置している様子がうかがえる。
このまま降りてゆくと116
の階段へとつながる。
手前に延びる手摺は
ブナの込栓て壁と固定されている。

この画像良く見ると
壁の隅々に養生テープが貼ってある。
つまり、まだ工事中の段階だ。

テレビのビフォーアフターで言えば
ビフォーの段階。
次回の写真がアフターとなるが
さてどこが変わるやら?!

少しづつ画像を拡大すると
降りてゆく実際の気分になる。

日本の美を伝えたい-鎌倉設計工房の仕事 134
実は答えが出ていた。
キッチン廻りの腰壁が白から黒に、
漆喰から板張りに変わっている。
おまけに板と板の間に
これまた!黒の竹を!はめ込んでいる。

板には隙間を開けている。
だから竹が無ければ
白の地が見える、竹をはめ込めば
見えなくなる、、とはいかず、
ばっちり竹のくびれラインに沿って現れる。
そのため、白い壁に濃紫のベンガラを
腰壁,全面に塗ってある。

がそもそも、なぜ黒にしたのか、白じゃいけないのか?

今回の写真はあおりのレンズを使用していないので
ゆがんでいて、比較しにくいかもしれぬが、
何か落ち着かないのだ!

白だと柱が白壁を分かつようにはいり目立つ。
建物の重心が浮き上がり、
家全体のどっしりとした重量感がそがれるのだ。
腰板の幅は柱幅に合せている為、
柱は壁の中に溶け込み、今度は所在が解らない。

分離発注の場合
現場での変更が比較的たやすい。
建て主も、目の前に実物が現れてくると、設計段階の打合せ
がよりリアルとなり、要望も変化してくる。
建設会社とではなく、建て主は直接
物を造る職人と契約するため要望に
対応しやすい方法なのだ。
むろん設計段階でも建物に磨きをかけるが
現場の工事段階でもさらに磨きをかける。

前回の画像は少し歪んでいたので
今回はあおりによって水平と垂直を補正した。
正面に、障子が来る。
障子越しの柔らかい光と白壁、濃紫の天井、
壁が、この様に物静かな空間を造る。

まず画像の説明から。
前回の画像135と比較してほしい。
135画像右手の腰壁部分のアップだ。
左手は障子、和紙と木の格子で出来ている。
又床は杉の板、壁は竹と杉板に濃紫色に色づけされた
ベンガラを塗っている。
ベンガラ塗装のほとんどは建築主が行った。
危険を伴う所は除いて。
がその分当然コストは下がる。
料理も、自分で食材を買ってきて調理すれば
レストランで頼むよりコストは抑えられる。
建物の場合、建築主が自分で出来る所は限られているが
職人と建築家の手を借り、自分が発注元になれば
同様にコストは抑えられる。
そこに余力が出来るから、同じ予算でも思い通りの家を造りやすい。
その余力で画像の様に
杉板の間に竹を入れるなど数寄屋建築の技も可能となる。

これは「分離発注」という建設方法だが
住宅建設の際、選択肢の一つに加えてはいかが?

余談だが、ベンガラ塗りは素人にもできるので、私も時々参加!

以前その姿がTV放映され、
それを見た合唱団仲間から「ベンガラちゃん」

と呼ばれている!

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