大磯というと昔の別荘地であり、作家や画家も多く住む。東海道の松並木でも有名である。
近年、茅ヶ崎、鎌倉同様、広大な別荘地が細分化され、建売住宅やマンションにとってかわり、それと共に職人技術の粋もいつの間にか消え去る。それを憂いでいたオーナーと意気投合し、作った住宅。
東海道線に面しているので、乗客に昔の蔵の美しさをアピールしようと外観に取り込んだ。「向こう三軒両隣り」の昔のコミュニティを復活させようというオーナーの意図で道路側に塀はない。
大磯の家で取り入れた昔の家の良さは、
@蔵の外観、瓦屋根の美しさ
A千本格子の美しさ(窓の目隠し)
B(断熱性がカーテンの2倍ある)B障子を居間にも使う
C木や土の自然素材
D庭とつながる軒下のスペース
しかし、間取りの柔軟性という昔の家の最大の特質を十分に生かすことは出来なかった。その反省もあって今後はご両親の家で試みる事となった。その際、昔の真壁造に工夫を凝らそうと思う。関西の京間寸法も検討中である。柱が現われる真壁造は、廊下の巾が広く又、出入口の巾も大きくとれる為、車椅子での生活も受け入れ易く、引き戸と相まって、バリアフリーだ。老人にとって快適な環境を昔の家はすでに持っていた。