現代の家は、一階に居間・食堂といった共有のスペースを持ち、二階には個室が並ぶ欧米流のスタイルがほとんどではないだろうか。その様な今様の住居が造られる一方で、一世紀ほど前に建てられた農家や町家の多くが、暗く寒く、プライバシーが守られないなどの批判を浴び、姿を消していった。
京都大学の会田雄次氏によれば、「独創的人間は、古くさい昔風の家に育ち、堅い平凡秀才は、近代化され機能別の部屋に分かれる新しい家に育った」「独創的な人は、個性もあり行動力もあって面白い。追跡調査をしてみると、社会に出ても失敗例はあるが、何か意義のある事をし、自分でも楽しく生きている」という。日本人全員が独創的になる必要もないと思うが、家屋の構造が人間形成に影響を与えるという言葉の意味は重い。