CM分離発注とは

日本的な和のテイストをもつ美しい家を造っていきたい。
近所の人達も手本にしたくなるような魅力的な家。

昔の家を振返ると現代の住宅が自然から離れてしまった事に気付く。
シックハウスやアレルギーなど昔はなかった。
皆が真似してくれたら、きっと昔のような美しい街並が復活するに違いない。
歴史的建造物の調査や民家の保存再生に携って痛感する事だ。


健康的な住宅へと軌道修正する為,高品質の自然素材の家を手ごろな価格で手に入れる事はできないだろうか。しかも建築家による密度の高い設計で。

そう考えて行き当たったのが分離発注方式(CM、Construction Managementの略)である。

施主が建設会社,工務店や住宅メーカーと契約を結ぶのではなく、その下請となっている専門工事ごとの職人さん(大工さん,左官屋さん、サッシ屋さん,水道屋さん,電気屋さんなど20社程)達と直接契約を結ぶ。建築家は設計図面に基づき,各職人さんに見積りを出してもらい値交渉し、技術力もあり金額の低いところと施主が契約するお膳立てをする。
 現場が始まれば,オーケストラの指揮者のように、演奏者たる職人さん達を完成へと導く。建築家と職人さんの作業はそこで終りではなくその後のメンテナンスまでお施主さんとの付合いは続く。
 
当社の考えていることと同様の事は、米国では一般的、秋田の公共施設でもCMが行われ、大幅な経費削減ができたことを報じられている。(日経アーキテクチャー2004/02/23号)

 当社のCMでも一括請負会社に図面一式をわたし、結果でた見積が3000万(設計料も加算した合計)の住宅をCM分離発注で行ったところ2400万で完成させることができた。(設計料CM料双方含む)。
「子供の健康を考え自然素材で埋め尽くしたいが予算に限度がある」,「定年を迎え和む家を造りたいが老後の不安もあり、あまり建築費用にかけたくない」と考えるお客さんの利用が最近増えている。

 分離発注といえども最初は予算オーバーで見積りが出てくる。これを、予算内にしかも施主の希望も実現して、となると,20ほどの業者さんと値段交渉、値段の折合わぬ場合の業者さんの入替えなど、予算収斂部分の作業量がかなり多い。
 
 また予算内のめどがつき,現場がスタートしてもお施主さんの新たな希望、建築家側での新たな発見もあって、金額の変更が生じやすい。まさに現場は生きており、どうコントロール,マネージメントして妥当な金額に最終的に納めるかに当社は多くの時間を費やす。

CMの場合費用的裏付けがあるので安心して何度も現場に行ける。
通う意味は
@全体の品質管理、職人さんとの納まり打ち合わせ。図面通り作業が行われているか。新たな工夫は必要ないか。
A、資材発注、ゴミを少なくするための端材活用、予算に吸収できなかった際のベンガラ塗装作業、クリーニング作業、近隣折衝など現場のマネージメントである。
B煩雑になってきた建築関連法規を着実に遂行するため。

このようなCM分離発注による家つくりは当初、銀行も不慣れな為,融資に手間取る傾向もあり施主と様々対応策を模索したが(詳しくはHP、お施主さんの「CM体験記」をご覧下さい)最近は銀行側でも少しずつ増えてきているせいもあり,公庫は無論、融資も通りやすくなっている。確実に通りやすい銀行も登場。途中でストップした事例はない。

保証については、第三者機構による住宅性能保証をつけられるが、当社のCMの場合、検査官が毎日現場監理しているようなものなので、建物の完成度は高い。

契約に関しては建築家との,設計及びCM業務に関するもの、それとは別に20業者との個別契約がある。支払は月末締め翌月末払いで、それまでに施主は工事の通帳に入金し、そこから支払って行くので、工事完了分についての支払いとなり、堅実である。また工事金額の入金支払状況が通帳に全て記帳されているので施主は一目で自分のお金の使われ方が把握出来る。工事費用を1社にまとめて支払う請負工事と異なり,20社に工事費用を分散する事となり危機管理上も有利となる。

最後になるがお施主さんの事業主としての意識が必要であり、当社は全面的にそれを支援するとのスタンスをとっている。従い,予算からはみ出した場合,当社スタッフもベンガラ塗装作業を行うが,お施主さんにも参加を呼びかける。施主自ら工事に携ることで今後の維持管理要領もつかめ、自分の建物に対する愛情も生まれる。